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② 〜牛乳は牛の赤ちゃんの飲み物です〜

水代わりにごくごく飲んでます、一日1Lは飲んじゃうから買いに行くのも大変!という方もいれば、お腹いたくなっちゃうからダメなんです、牛乳アレルギーかなあ、って人も。これからクリスマスシーズンを迎え、生クリームやバターなどの需要が増えますね。先日の北海道地震では、電気がとまってしまい乳を廃棄せざるを得ない、という報道を覚えてらっしゃるかたもおられるかと思います。

鮮度が勝負の牛乳。とても腐敗しやすい、毎日生産される、液体、という特徴をもつため、しぼった乳はまず冷蔵、生クリームや、加熱して牛乳に加工されます。次がヨーグルト。保存性の高いバターや脱脂粉乳は、生産量がおおければ作る、足りなければつくらない、という乳製品の需要供給を調整してくれる安全弁のような役割を果たしています。

また、輸入される乳製品も多く、国内消費の約3割はチーズ、アイスクリーム、バター、学校用脱脂粉乳などを輸入する形でまかなわれています。このシリーズでは、おちちを絞ってから皆様にお届けするまで、どんなふうになっているのか。牛乳にまつわるアレコレを交えながらお届けいたします。

 

~牛乳は牛のあかちゃんの飲み物です~ 

牛乳は腐りやすいんだよー、そらまあ当然です。牛乳は書いてそのまんま「牛の乳」なんですから。女性も妊娠、出産するとお乳がでます。牛も当然、メスの牛が妊娠、出産すると乳をだすようになります。言い方は悪いんですが、人間はそれを横取りして飲んでいるわけです。生まれた子牛が独り立ちして牧草を食べるまでの間、栄養をおぎなってやるためのお乳が牛乳なんです。

現在では乳牛、といわれる99%がホルスタイン種。ついでジャージー種、ブラウンスイス種という名前も聞かれたことがあるかもしれません。ホルスタインの体重は600から800㎏。体調や個性にもよりますが、一日60キロの生乳を搾る牛もいるんだとか。平均2030Lとされています。

それを支えるのが高カロリーな配合飼料。濃厚飼料ともいわれ、本来草食性である牛に動物性のものを配合した餌を与えます。毎日体重の一割ちかくを生乳として生み出すホルスタイン。体重60㎏の女性が毎日23リットルも母乳をだしている、と直接おきかえるのは短絡的ですが母牛の過酷さは伝わるかとおもいます。雌牛は生後約1年半で人工授精、二年半で初産を迎え、その後約一年毎日乳を搾ります。その間にも二度目の人工授精、出産前の数か月以外は搾る、というサイクルを45回くりかえすと乳の量や質が落ちるので、56歳で現役を引退、食用にするため再肥育、という人生をおくります。

 

〜えさのお話〜

乳牛は牛の赤ちゃんだけでなく人間に牛乳を供給するために飼われていますので、草だけ食べていたらとても間に合いません。青草や乾草、サイレージなど繊維質を多く含む粗飼料と、トウモロコシや大麦などの穀類、米ぬかやふすまなどの糟糠類が中心の濃厚飼料などを組み合わせて、乳量や年齢に合わせて餌をあげています。最近では自動給餌機なども導入され、酪農家さんの負担も減っているようです。もっとも、機材の投資額はあがる一方ですが・・・。最近では休耕田を活用した飼料米などの活用も始まっていますが、まだまだ大半を輸入にたよらざるを得ない状況です。もっとも、その輸入も異常気象や中国をはじめとする各国の需要増など安定供給の難しさは増す一方です。

餌といえば、肉骨粉、というものをご存じでしょうか。鳥や豚、牛など肉をとったあとの内臓や血液、骨などを乾燥粉砕したもので、本来は肥料として畑にまいていました。非常に安く、たんぱく質やカルシウムなどが豊富なため、以前は牛の飼料としても用いられていました。牛の成長に必要な栄養素を、牛の肉骨粉からとるというのは不自然に思います。なお、BSEの問題が起こった現在、国内では法律に基づき肥料としての利用が認められていますが、牛の餌としての牛由来肉骨粉は認められていません。

 

〜牛乳が私たちの手にとどくまで〜①

牛たちはどんな環境で餌を食べて育ち、搾られた乳はどうやって私たちの手に届けられているのでしょうか。牛、と聞いて、北海道や高原地帯の広々とした草原で草を食む牛の姿を想像する方が大半だと思います。よく牛乳のパッケージなどにも印刷されていますよね。でも実際には、日本の酪農で放牧はほとんど行われていません。日本の搾乳牛の7割以上は、「つなぎ飼い」です。繋ぎ飼いとは、牛舎内で、ご飯を食べるのも糞をするのも寝るのも同じ場所。一日二回、搾乳機まで歩いていく以外は、多くの時間を同じ場所で過ごします。

牛乳を早く生産ラインにのせるために、子牛が生まれても5日ほどで引き離されてしまいます。子牛には粉ミルクを与えて育てる、という状況です。本来草食である牛に、コスト面から共食いともいえる「肉骨粉」を与えるというということまで行われていました。さて、搾られたあとの牛乳はそのままですと牛の体温に近い高温なわけです。当然、細菌の繁殖などリスクがありますので、いったん牧場の冷蔵タンクに貯められます。この牛乳をミルクローリーと呼ばれる専用のタンクローリーが各牧場をまわり、工場まで10度以下に保ちながら運びます。各地域にあるバルククーラーと呼ばれる大きな冷蔵タンクにいったん貯蔵、この時に菌の数など10種類以上の検査が行われ、パスしないときは廃棄となります。「牛乳が私たちの手にとどくまで」②に続きます。

 

 

産直屋「蔵肆(くらし)」

鶴久 格

先代からオーガニック野菜販売を手掛けている老舗。

無農薬・有機野菜・無添加・自然食品・宅配・料理教室

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